The Regatta

隅田川、春の風物詩

隅田川で毎年4月に行われる早慶レガッタは100年以上の歴史を誇る、日本で有数のボートレースです。
毎年3000名を超える観客に見守られながら、全長3,750mのコースをゴールの桜橋に向かって進んでいきます。
10分超のレースの為に、1000時間以上を練習に費やし、大学生活の殆どをボート競技に捧げた選手たちの迫真のレースは一見の価値があります。

大会挨拶

大会委員長 河合 史貴 (平成9年慶大卒)

 

第88回早慶対校競漕大会(早慶レガッタ)の開催に際しまして、運営委員会を代表してご挨拶申し上げます。

本大会は明治38年(1905年)5月8日に隅田川向島において第1回大会が開催されました。以降、2度に亘る中断や開催地の変更などの難局を乗り越えて、昭和53年(1978年)には、発祥の地である「隅田川」に戻り、今年で88回目を迎えます。

ここに至るまで、伝統の一戦をこのボート競技の聖地「隅田川」で継続開催させて頂けるのは、両校関係者の労力はもとより、台東区、墨田区、中央区、東京都、警視庁、湾岸警察署、所轄警察署、東京消防庁などの関係諸官庁、東京都公園協会、屋形船東京都協同組合、中央隅田漁業協同組合並びに公共河川である隅田川を日頃利用されている地元の皆様の深いご理解とご支援の賜物でございます。

さて、早慶レガッタは早慶関係者のみならず、幅広く多くの方にも「春の風物詩」として認知されるようになりました。近年では、東京スカイツリーや浅草といった墨堤両岸の賑わいが増す中、一層の盛り上がりを見せております。

海外に目を向けますと、英国のオックスフォード大学、ケンブリッジ大学の対校戦は1829年から、米国のハーバード大学、イェール大学の対校戦は1852年から4マイル(6,400m)を超える過酷なレースを繰り広げております。全日本選手権やオリンピック種目の通常直線2000メートルレースという環境を大幅に上回る長距離且つ、複数のカーブが存在するこれらの対校戦は選手たちの真の実力が試されるレースです。

そのレースに向けて早慶両校選手は昨年のシーズンオフから身体を徹底的に鍛え、漕ぎこみ、部内での競争を勝ち抜き、今日という日を迎えています。両校選手諸君には各校の名誉をかけ、互いが全力を出し合い競い合うことを期待しています。

私たちはこの早慶レガッタを一級河川で行われる日本唯一の長距離の対校戦として、今後も地元の皆様と共に育て、幅広く多くの方々が親しみを感じ、愛されるレースにしていきたいと考えております。

最後になりますが、本大会の運営費用を支えるプログラム広告掲載を頂きました企業、団体、個人の皆様、ご後援頂きました国土交通省下水道部、日本下水道協会、下水道広報プラットフォーム(GKP)、東京都建設局、台東区、墨田区、中央区、江東区、他様々なご協力を頂きました地元町内会、ウォーターリスクマネジメント協会、レース当日の船舶航行にご配慮を頂いております諸団体の皆様、準備・運営に労力を注いだ両校役員・関係者の皆様に心より厚く御礼申し上げます。

慶應義塾體育會端艇部 主将 新井 勇大

 

まず始めに、第88回早慶レガッタが隅田川で開催されるにあたり、ご尽力いただきました諸先輩、ならびに大会関係者の皆様に、部員一同を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。

 ただ今慶應義塾は2年連続対校、第二、女子の3種目で敗北を喫しております。 昨年、一昨年と自分自身も対校として勝利を勝ち取ることができず、シーズン初戦となる早慶レガッタの重要性を痛感致しました。今年は最重要レース である全日本選手権が、早慶レガッタの翌月5月に行われるため、例年以上に本日の勝利を絶対的なものにしなければなりません。我々は練習内容から生活面において、全ての見直しを皆で行い、本日の勝利につなげる大きな改革をしてきました。

 まずは、「乗艇期間の拡大」です。例年、11月の全日本新人選手権から2月の早慶戦合宿までの冬期は、「陸トレ期間」として、日吉で1モーションの陸上トレーニングを行っておりましたが、本年度は、希望者は平日も引き続き合宿、「乗艇期間」としました。午前練習ではペア、シングルを中心とした小艇で長距離を漕ぎこみ、個人の技術向上に取り組んで参りました。また、フィジカル面では、フランス代表が実施する「高負荷サーキットトレーニングc2」を導入し、ボートに特化したフィットネスを高め、早慶戦から夏まで闘い抜ける体づくりをして参りました。

 更に、例年以上に質、量ともに高いハードな練習に耐え抜くため、「栄養面の見直し」を行いました。堀主務を中心にマネージャー陣が、アスリートに必要な栄養素を含み、且つ練習後にも食のすすむ、非常に美味しい料理を提供してくれることで、身体も変わって参りました。

  宮嵜副将、本多合宿所長を中心に進めている「勝つ艇庫」作りは、部員の気持ちと集中力を明らかに高めてくれています。

 また、実業団強豪チームの明治安田生命様に、合同練習や艇庫見学をさせていただき、艇庫の艇備品管理方法、リギング技術や精度の高いキャッチ技術など、多くを勉強させていただきました。

 いよいよ、改革の成果をお見せする時が参りました。

  本日は、慶應の「意地」のローイングを、慶應の「勝利」を披露いたします。

クルー一同、全身全霊をかけて、3750mを漕ぎ抜くことをここに誓い、挨拶とさせていただきます。

 

早稲田大学漕艇部 主将 藤井 拓弥

 

はじめに、第88回早慶レガッタが無事敢行されるに当たり、ご尽力いただきました両校OB・OGの皆様、並びに大会関係者の皆様に現役部員一同を代表しまして、心より感謝申し上げます。

入部してからの3回の早慶戦、3年前の早稲田対校エイトの沈没、2年前の9年ぶりとなる早稲田完全優勝、そして昨年の完全優勝連覇、どれもついこの間の事のように思い出されます。特に3年前のことは鮮明に記憶に焼き付いています。荒天でレースの中止を余儀なくされた第二エイト、沈没してしまった対校エイトの先輩方の涙する姿を見て、荒れる隅田川で行われる早慶レガッタの厳しさを実感するとともに、「自分は絶対にこの舞台を漕ぎ切って勝ってみせるんだ」と入部したての新米ながら心に誓ったことを覚えています。

そして今年、本学漕艇部は多くの先輩方の闘志を受け継ぎ、早慶レガッタ完全優勝「三連覇」を目指す立場にあります。かかる期待と重圧は生半可なものではありません。しかし、私たち早稲田はあくまでも、王者や勝者ではなく「挑戦者」、敬愛する伊藤前主将の言葉を借りるなら「最強のチャレンジャー」として勝負する姿にこだわりたいと思います。「挑戦者」として失敗を恐れず、貪欲に勝利を追い求めていく所存です。

この早慶レガッタでの栄光を掴むべく、今冬は全部員が知恵を絞り創意工夫をしてきました。「決して優れた才能のものばかりでない我々が、どうすれば勝利を手にできるか?」ということに立ち返り、練習をイチから見直すことは勿論、食事や生活環境の改善・管理も徹底してきました。選手・マネージャー・トレーナーと役職の垣根を超え、お互いを鼓舞し切磋琢磨してきた今、チームの団結力は過去最高のものであると自負しています。この冬磨きあげてきた、一味違った早稲田の姿をレースでお見せしたいと思います。

最後に、隅田川という最高の舞台を用意してくださったすべての皆様、そして素晴らしいライバルである慶應義塾大学の現役部員の皆様に改めて感謝と敬意を表し、挨拶とさせていただきます。熱い応援をどうぞ宜しくお願い致します。

 

早稲田大学漕艇部 部長 深澤 良彰 (昭和51年早大卒)

 

2018年4月20日付けの『world rowing』に、「Japan’s version of the Cambridge Oxford Boat Race is known as ‘The Regatta’ and showcases the sport rivalry between Waseda University and Keio University. It was first raced in 1905 on the Sumida River, the very first regatta course in Japan.」という紹介文とともに、「Waseda University defended their titles in both the women’s and men’s eights race during the 87th Waseda-Keio Regatta in Tokyo, Japan.」という結果や、その分析が掲載されました*)。この記事は今でも読むことができますので、是非ご一読いただければと思います。

これまで、この早慶レガッタは、「三大早慶戦」などと、早慶の『枠』の中で語られてきました。しかし、今や、世界レベルでのニュースとなってきるのです。さらに国際的に注目されるようなボートレースとなるよう、今後も、関係者一同で努力していきたいと思います。さまざまなソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など、これを支援する社会基盤も整備されてきています。一方、選手諸君も、この早慶レガッタを足掛かりとして、世界へ羽ばたいていってほしい。

この早慶レガッタを実現するために、墨田区、台東区、江東区、警視庁、東京消防庁、自衛隊などの関係省庁、地元のみなさま、協賛企業各社、歴代のOB・OGなどのご支援・ご理解のもと、両校の部員がまさに「手作り」で運営しています。このような『縁の下の力持ち』にも、是非、光をあててほしいと思います。

漕艇部関係者にとっては、対校エイトに焦点が絞られがちですが、女子対校エイト、第二エイトなどにおいても、また、高校や中学の競技においても、そのクルーにとっては、まさに「自らの早慶レガッタ」だと思います。大きな声援を送りたいと思います。

すべてのレースで、すべてのクルーが「OneWaseda」の旗のもと、全力を出し切り、勝利の栄冠を勝ち取り、1年の漕艇シーズンを気持ちよく始められることを期待します。

*)http://www.worldrowing.com/news/waseda-university-wins-japan-boat-race

 

慶應義塾大学端艇部 部長 新保  一成 

今年も隅田川の早慶レガッタの季節がやってまいりました。昨年夏の酷暑といい、日本の四季の風情はどこかにいってしまったようにも感じますが、この伝統ある早慶レガッタは本格的な春の到来を感じさせてくれます。

一昨年の対校エイトでは慶應史上初の6連覇を逃し、昨年は全種目において早稲田大学の姿を前方に見てゴールすることが叶いませんでした。平成最後の早慶レガッタを迎えるにあたって今年の慶應クルーは、新監督と新ヘッドコーチのもと、正月を返上して合宿し、全ての種目において昨年の雪辱を果たすべく選手が一丸となって練習を積み重ねてまいりました。その成果をぜひご覧いただきたいと思います。

昨年は大学スポーツ界の危機を感じる1年でもございました。ここ隅田川で開催される早慶両校による伝統の一戦において、両校の選手が日頃の鍛錬の成果を遺憾なく発揮し、これぞ大学スポーツという白熱したレースを展開してくれることを期待しています。本日、隅田川に足を運んでいただいた全ての皆様に感動を与え、また来年も観に来たい大会として心に残るレースを期待しています。

2020東京オリピック・パラリンピックまで1年、多くの人の目がおのずとスポーツに向けられると思います。Oxbridgeを招いての海の森水上競技場完成記念レガッタでもう一度早慶が艇を並べるかもしれません。この1年がボート競技への関心を高める1年になって欲しいと思っています。

さて、春の行楽シーズンに桜の名所でもある隅田川で開催される早慶レガッタは、早慶両校の関係者だけで運営できる大会ではございません。東京都、墨田区、台東区、中央区、江東区の皆様、協賛企業・団体の皆様、そして警察および消防のご理解とご協力があってはじめて運営可能になるものです。この場をお借りして、すべての関係者の皆様に心から御礼申し上げます。選手諸君も、レースでは力を存分に出し切り、ゴール後は相手を讃え、ご協力いただいた皆様、観戦に来ていただいた皆様、日頃お世話になっている皆様への感謝の気持ちを忘れない、そんな学生らしいオアーズマンシップを発揮していただけたらと思います。