早稲田 主将ご挨拶

早稲田大学漕艇部 主将   小山知起

 

 桜花の候、第94回早慶レガッタが隅田川にて開催されるにあたり、多大なるご尽力を賜りました両校OB・OGの皆様、並びに大会関係者の皆様に、部員一同を代表して心より御礼申し上げます。

 昨年の早慶戦では、我々早稲田大学は男子対校エイトで2年ぶりの勝利を収め、女子エイトでは34連覇を達成いたしました。しかし、第二エイトが敗北したため、2018年以来の「完全優勝」には届きませんでした。そこで今シーズンは「完全優勝」を目指し、2つの柱を掲げて冬のトレーニングに励んでまいりました。

 1つ目の柱は「漕距離目標の達成」です。男子3年生の週150kmをはじめ、男女各学年に漕距離の目標を設定し、9月のトレーニング開始から年末まで毎週達成することを義務付けました。ペア20km、エイト30kmを基本メニューとする練習は、初めこそ漕ぎ切るのが精一杯でしたが、12月にはスピードにも焦点を当てた練習が可能となり、着実に土台を築けたと実感しています。その結果、年末のエルゴ測定では全員が自己ベスト、またはそれに近い記録を達成しました。同期や後輩たちを頼もしく思うと共に、体力の向上に確かな手応えを感じています。

 2つ目の柱は「縦割り班の導入」です。男女学年を超えた5つの班を作り、技術課題の共有や指導に努めました。現在の男子漕手は19名。慶應義塾大学に勝つためには個々の技術力向上が不可欠です。先輩後輩が互いにビデオを見合い、アドバイスをする習慣が定着したことで、技術の向上だけでなく、コミュニケーションの機会も増え、練習や生活の中でより強い絆が生まれました。この団結力を武器に、少数精鋭で慶應義塾大学に立ち向かいます。

 私は高校3年生の時に第88回早慶レガッタをYouTubeで観て漕艇部入部を決意しました。早慶レガッタは私がボートを始めた原点であり、2大会連続で敗北している私にとって、「完全優勝」への思いは一入です。日々支えてくださるOB・OG、監督・コーチ、保護者の皆様、そして共に部を築き上げてきたマネージャーやトレーナー全員で「紺碧の空」を笑顔で歌うことを誓い、私の挨拶とさせていただきます。熱い応援をよろしくお願いいたします。