早稲田大学漕艇部 監督 阿二 真樹(平成4年早大卒)
元旦に発生した能登半島地震において被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。艇友や関係者の皆様の中にも被災されて、大変な思いをされている方が多くいらっしゃるかと思います。1日も早い復興をお祈り申し上げます。
さて、今年も春の早慶レガッタの季節がやって参りました。特に、この大会開催に向けてご尽力頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。ご協力頂きました皆様に納得して頂ける様、早慶両クルーには伝統に相応しい、見ごたえのあるレースをする責任があると思います。
振り返りまして、昨年の早稲田大学は、女子では連覇を達成できたものの、男子対校エイト、第二エイトと宿敵慶応大学に惨敗致しました。ただ「実力がなかったから勝てなかった」という一言に尽きます。技術・体力・クルーの完成度もさることながら、根本にある熱意で負けていたとなれば非常に悔しい結果です。今年は挑戦者として、チャンピオンである慶応大学に渾身の気迫でぶつかっていきます。そして必ず熱意で上回りたい。早慶レガッタに勝つのは、強くて速いクルーとは限りません。最終的に勝利を収めるのは、全員が「必ず勝つ」と信じているクルーです。絶対に譲らない執念の漕ぎをお見せできればと思います。
さて、早稲田の学生の皆さん、私自身が卒業して今までに感じたことは、「人生を通して本当に一所懸命になれることは、そう多くはない」ということです。卒業してから今まで多くのことにチャレンジしましたが、全身全霊を傾けて熱中できたことは多くはありません。私は学生時代にボートというスポーツに巡りあえて幸せでした。多くの仲間と一緒に漕ぎ、一緒にもがき、一緒に笑った日々は人生における宝物です。選手諸君は愛するクルーと共に、最高の時間を過ごしてください。そして最高の笑顔で船台に戻ってきてください。マネージャー、トレーナー、コーチングスタッフは全員の力で艇を後押ししましょう。願えば叶う、頑張りましょう。