大会委員長ご挨拶

酒匂 康博 (平成7年早大卒)

第91回早慶対校競漕大会(早慶レガッタ)の開催に際して、大会運営スタッフを代表しご挨拶させていただきます。

 

早慶レガッタは、1905年にこの隅田川にて早稲田大学が慶應義塾大学に勝負を挑んだところから第一回が始まりました。両校は普段は戸田公園で練習を行っておりますが、今もこの日だけは当時と同じ隅田川の地に戻り、通常の競技距離よりも倍近く長い3,750mの非直線コースを漕ぎ勝負を決するという国内で他には類を見ないレースとなっております。通常競技に使用していない河川をコースとして設定するために様々な工夫が必要となりますが、開催日の半年以上前から両校OB/OGを中心とした我々ボランティアスタッフが集い次のような思いを持ってこの日の開催へ向け準備を積み重ねてまいりました。

まず、我々は、出場選手たちが安全にその最高の力を発揮できる場を整えたいと考えております。我々はその裏方として関係各所の皆さまと共に、この実現のために器具の搬送、各種設備の搬送・設置、河川へのコース設定、勝敗を判定する審判、水上/護岸の警備・救護体制の構築等あらゆる準備を行っています。本大会がこれほどの長きに亘り愛され継続できている理由は、歴代の出場選手たちがこの日のために冬季の苦しい練習に耐え、ハイレベルでフェアな素晴らしいレースを展開し、応援頂いている皆さまに対してその雄姿を見せてきたからに他なりません。この大会に出場するという最高の栄誉を与えられた選手の皆さんには、勝利に向けその栄誉に恥じない力を発揮してもらいたいと思っております。

次に、我々は隅田川を日本ボート競技の聖地として更に魅力ある場所として認知されるよう貢献していきたいと考えております。隅田川は東京の中心部を流れる河川として、東京の水運の要であり、また花火大会や桜の名所として江戸東京文化の象徴としての顔も持っています。更に明治時代初期には、幾つかの大学がこの川面でボート競技を始めたことから日本ボート競技発祥の地としての側面も持っています。その後月日は流れ、水質悪化などを原因に東京のボート競技の中心は埼玉県の戸田公園に移りましたが、我々は今も春はこの地に戻り早慶両校による最高のレースを沿岸の皆様にご覧いただくことにより、より多くの皆さまにボート競技の魅力を知り、楽しんでいただきたいと思っております。早慶レガッタのコース沿岸には墨田区、台東区、中央区、江東区が連なり、江戸時代から続く浅草や向島等の歴史ある街並みに加え、東京スカイツリータウンに連なる東京ミズマチ、すみだリバーウォークなど新たな見どころも生まれ、護岸も隅田川テラスの整備が進み新たな人の流れも生まれています。ここに住む皆さま、観光に訪れる皆さま、商店の皆さま、企業の皆さま、自治体の皆さまと共に、この隅田川を更に魅力ある場所とする一助となれればと考えております。

更に、我々は早慶レガッタの伝統を確り守りながら、次世代へこれを受け継ぐためにも常に新たな試みに積極的に挑戦していきたいと考えております。例えば、過去2年間は新型コロナウイルス感染症の拡大により、前々回は大会が中止に追い込まれ、前回は観客の皆さまの観戦自粛をお願いする事態にもなりました。このような状況下、沿岸での応援が難しい状況でもより多くの人たちにこの早慶レガッタをご覧いただくために、近年はオンラインライブビデオ配信を強化してまいりました。本年度は複数台のドローン空撮映像による更に見やすい映像や位置情報衛星データを活用した早慶両艇の様々なデータ配信など、オンラインを通じたより見やすく、より面白い情報をお届けし、新型コロナ禍における観戦においても更に楽しんでいただけるように努めてまいります。

これらの思いを込めて大会を運営し、将来に亘り皆さまに愛される大会としてまいりたいと思います。

最後になりますが、本大会の運営費用を支える広告、協賛を頂きました企業、団体、個人の皆様、協賛いただきました東武鉄道株式会社、大成建設株式会社、ご後援頂きました国土交通省下水道部、日本下水道協会、下水道広報プラットフォーム(GKP)、東京都建設局、台東区、墨田区、中央区、江東区、他様々なご協力を頂きました地元町内会、ウォーターリスクマネジメント協会、レース当日の船舶航行にご配慮を頂いております諸団体の皆様、準備・運営に労力を注いだ早慶両校関係者、役員・スタッフの皆様に心より厚く御礼申し上げます。

 

 

酒匂幹事長 顔写真 

早慶対校競漕委員会 委員長

酒匂 康博