慶應義塾 HCご挨拶

慶應義塾體育會端艇部 HC 田邉 保典 

 

今年も春の訪れと共に、伝統の一戦が始まろうとしています。

一昨年前の大接戦での勝利、そして昨年は怒涛のラストスパートでしたが及ばずの敗北と、この2年間は本当に拮抗した戦いとなっており、まさに

「細部の戦いが勝敗を分ける」

という事が身に染みて感じているところです。

 

10年ぶりの寒波と言われたこの冬、そんな中でも森本新キャプテンを中心とした学生たちは自主的に、しっかりと距離を漕ぐことに主眼をおき、小艇に、そしてフォア、エイトと頑なに漕ぎこんで参りました。

ワンストロークで艇を運ぶ距離を如何に伸ばすか、数センチ数十センチの事ですが、特に距離あるこの墨田川での戦い、その積み重ねの差が結果として現れます。

あの隅田川でのコンディションの中であっても、ワンストローク毎に1センチでも前へ、という意識を持ち続け、諦めずに、そして何よりも「タフ」に挑み続けられるかどうかが最も重要と考えます。

そのためには信じられる自分を作り上げていかなければなりませんし、本当のクルーも成

り立たないと考えます。

これまでの振る舞いがどうであったか。一人一人の学生が日々考え、試行錯誤しながら積み重ねてきてくれたものと信じています。

また何といっても彼らを陰で支えてくれているマネージャー陣には本当に頭が下がる思いです。ご家族も同じと思います。

その思いに応えるべく、しっかりとその気持ちを想像し、利他と感謝の心を持って、この戦いに挑んで欲しい、そして毎年申し上げていることですが、この伝統の戦い、思い切り楽しんで、自分史に残る1ページを刻んでほしいと切に祈念しています。

 

最後になりましたが、今年も関係各位のご尽力により本大会の舞台を整え、そして開催する事が出来ますことに深く感謝の意を申し上げ、私の挨拶とさせて頂きます。