早稲田大学総長 田中愛治(昭和50年早大卒)
春の隅田川の風物詩「早慶レガッタ」が今年もやってまいりました。前回大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響により残念ながら規模を縮小しての開催となりましたが、多くのファンや両校の校友、流域の関係自治体及び地元町会の皆様、警視庁・東京消防庁の皆様のご理解とご協力に支えられ、92回目となる今日を迎えることができました。惜しみないご支援・ご協力を賜りました方々に、早稲田大学を代表して心からの御礼を申し上げます。
本大会は、1905年に隅田川向島で第1回大会が開催されて以来、戦争などによる中断、河川汚染、橋梁工事、そして東日本大震災による代替地での開催など、これまでも様々な困難にみまわれながらも115年以上もの歴史を刻んできた「三大早慶戦」の一つです。
早慶戦は、学生スポーツにおける究極の対校戦といわれ、試合に出場する選手はもちろんのこと、会場で応援する観客や全国の校友など全ての人々が一体となり、熱狂の渦を生み出す魅力を持っています。私も学生時代は体育局(現・競技スポーツセンター)空手部で4年間を過ごし、早慶戦の重みは実体験としても十二分に理解しています。
早大漕艇部は、昨年の大会では男子対校エイトと女子対校舵手付きクォドルプルで勝利を掴みましたが、男子第二エイトでは大変悔しい結果となってしまいました。選手諸君は極度の緊張感に包まれていると思いますが、日頃から積み重ねてきた努力とチームメイトを信じ、練習の成果をいかんなく発揮し、勝利の凱歌をあげてくれるものと確信しています。
両校選手諸君が伝統の早慶戦の名にふさわしく、正々堂々と戦い、観客のみなさんに熱い感動と歓喜を届けてくれることを、そして、早慶レガッタの歴史に永くその名を残す新たな名勝負が展開されることを、心より期待しています。
最後になりましたが、わが早稲田大学の盟友であり、かつ永遠のライバルでもあります慶應義塾大学および同大学端艇部の益々のご発展を心からお祈り申し上げます。