稲門艇友会会長 ご挨拶

第88回となる伝統の早慶レガッタを今年もまたここ隅田川で開催できますことは歓喜に堪えません。先ずもって開催に当りまして多大なご支援、ご協力を賜りました関係当局や地元の皆様ならびに多くの企業の皆様に心より厚く御礼申し上げます。

ここ二年早稲田は連続完全優勝を果たしておりますが、それだけに雪辱を果たさんとする好敵手慶応の並々ならぬ意気込みは、正月の初漕ぎからひしひしと感じられ、しかしまた早稲田もその前の五連敗の悔しさは未だ拭いがたく、よって両校クルーは今日までプライドをかけて猛練習を重ね、互いに敬意を表して万全の準備を整えております。本日は明治38年(1905年)の第一回以来110有余年の歴史と伝統のある本大会に相応しい好レースが見られるものと確信いたしております。

隅田川での長距離レースと言う最高の舞台は、現在では早慶のみに与えられているものです。よって選手諸君はこのことを深く胸に刻み、波や風や流、蛇行したコース等、厳しく不慣れなコース環境ではありますが、必勝の決意を持ってこれに全身全霊で挑み、この人生のエポックメーキングとも言うべき経験から多くのことを学んで欲しい。

 一方、今年から全日本選手権の開催が秋から5月に変更となり、冬場の練習が極めて重要となりますが、幸い両校にとっては4月のこの大会で覇を競う事は全日本に向けての大きな足掛かりとなります。それだけに、伝統の早慶レガッタの永続的発展のためにも、今後はレースの有り方を様々な観点から見直してゆくことも必要と存じます。

 過日、早稲田の田中新総長の「世界で輝くWASEDAをめざして」と言うご講演を聞く機会に恵まれました。田中総長は世界的に著名な政治学者であられますが、初の体育会(空手部)出身の総長でもあられます。その中で大きな衝撃と感銘を受けたフレーズが、「決意と覚悟」です。早稲田大学は日本トップクラスと言う自負はある。しかし本気で「世界トップクラスの大学」になる。という覚悟を持ったことがあったか。世界トップクラスの大学になるためには「決意と覚悟」が必要だ、と言うものです。

 両校が、本大会から全日本そして世界に飛躍するためには我々の本気の「決意と覚悟」が問われている、と言う事を重く噛み締めつつ、本日は両校クルーの頑張りに精一杯の声援を送りたいと存じます。

 最後になりましたが、大会開催準備に尽力頂いた両校運営委員各位、及び会場整備に大変ご努力頂いている水陸現場担当の多くの両校先輩諸兄に心から感謝申し上げます。

 

稲門艇友会会長挨拶 原  大(昭和50年政経学部卒)